父という存在
子どもの頃住んでいたのは庭の大きな借家でした。
お花好きの母が所狭しと植えた花々がいつも咲いていて、部屋で遊んでいるとクチナシやバラの香りが漂ってきて。。。
でもお花が好きだったのは、母だけではないんです。
父は気にいると種でも鉢でもすぐに買ってきてしまいます。
「もう、どこに植えたらいいのよ💦」
母が聞こえないように言います。
聞こえたら、爆発してしまうから。
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お花が好きなお父さんと聞いたら、どんな人を連想しますか?
優しい人、穏やかな人、物静かな人。。。
父はそのどれにも当てはまりません。
巨人の星をご存知の方はお分かりでしょうが、食事が載ったちゃぶ台がひっくり返る、アレです。
雲行きが怪しくなると料理をそっと片付けるのは私の役目でした。
父が暴力をふるうと、幼い私が止めに入ったりもしました。
絶対父のような人とは結婚しない! とその頃から決めていましたもの。
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家ではいつ荒れるかわからない父でも、職人としては一流でした。
家も建てられるし、塀でも道路でもお手の物。
水族館のイルカのプールの工事に携わったこともあります。
親としては嫌いでも、職人として、私は父を尊敬していました。
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父は思った以上に早く他界し、母も歳を取り、私は日々に追われて球根を買うことすら忘れていたチューリップ。
近所の公園に鮮やかに咲いているのを見たとき、ふと父の言葉を思い出しました。
「チューリップだな」
話の前後も理由も覚えていないけれど、好きな花を尋ねたときの答え。
その言葉だけは耳に残っています。
父とは正反対の穏やかな人と結婚し、子が生まれて親になってようやく、父の不器用さと愛と孤独感がわかりました。
。。。大切な人には、もっと優しくしてあげればよかったのにね。
いまは父を嫌う気持ちは消えて、不器用でかわいい人なのね、と思っています。
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動画中には TELOPICT.com の カネヒラさん のアニメーションを使わせていただきました。
いつもありがとうございます✨

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